私がクレジットカードのコールセンターに勤務していた時、よく受けたお客さまからのお電話の内容に「使った覚えのないものが明細に載っている」というものがありました。
使った覚えのないものと言われるものは、基本的にクレジットカードの社員さまが判断されて請求を引っ込めるかどうか判断するわけですが、とにかく一時期凄い勢いで見に覚えのない請求がきたと電話があった時期がありました。
後からそういうお客さまの情報を確認すると、ほとんどのお客さまの請求を取り消す処理をしていたりしていたので、クレジットカードの社員さまに「なぜこんなに変な請求が起こったのですか?」と聞くと、「クレジットカードマスターで大規模にうちの顧客のカード情報が割り出されたらしいんだよね」と返事がありました。
顧客情報が流出したのではなくて、『クレジットカードマスター』で番号の割り出し?コールセンターの管理者になったばかりで困惑してる私にクレジットカード会社の社員さまは以下のように教えてくれました。
実は世の中にはクレジットカードの持ち主がいくら用心してても防ぎようのないカード犯罪が存在して『クレジットカードマスター』というコンピュータープログラムを使った手口がある。
実はクレジットカードの番号にはある複雑な規則性があり、10枚~30枚ほどの同じクレジットカード会社のクレジットカード情報があれば、クレジットカードマスターというコンピューターソフトが実際のクレジットカードの規則性を解読し、驚いたことに実際のクレジットカード番号、つまり全く他人のクレジットカード番号を割り出すことができる。
しかも困ったことにそのクレジットカードの有効期限まで割り出されてしまうとの事。
このように実際のクレジットカード番号と実際の有効期限が割り出されてしまうわけだから、通販サイトによっては名義人名義やセキュリティーコード(裏面の3桁の番号)が不要で買い物が出来てしまうので実に恐ろしい。
こうやって割り出されたクレジットカード番号というのは実は一気に買い物をされるケースはそんなにない、犯人グループたちも賢いもので、架空会社を作り、毎月、数百円~数千円くらいの少額をコツコツと決済していって、少しずつ抜いていくんですね。
例を挙げると情報更新料とかコンテンツ利用料などという名目でコッソリと引き落としていく。
クレジジットカード情報を割り出されて勝手に使われた本人も、月数百円円の決済では、明細を見なければ異常を感じないし、明細を見たとしても、「どこかで使ったんだろう」で済ませてしまう事が多い。
もちろん、冒頭に申しましたように、こんなものは見に覚えがないとクレジットカード会社に連絡してこられるお客さまもおり、取り消してもらうのだが、ほとんどのお客さまは気づいてないそうだ。
そもそもこういう犯行グループは、お客さまが気づいてバレてもかまわない。
何故かというと、クレジットカードマスターによって何万枚、何十万枚ものクレジットマスターから割り出し、数百円ずつ抜いているので、少しくらいバレてもどんどん割り出して不正利用をするので全く困ることがないのだという。
この事から、あなたのクレジットカードを厳重な金庫の保管していようが、クレジットカードの複雑な規則性からクレジットカード番号を割りさせる仕組みがある以上、割り出されたら確実に不正利用をされてしまします。
ですから毎月のクレジットカードの明細は絶対に自分でよく確認をしないといけません、防御手段はこれしかありませんから。