私がクレジットカードのコールセンターに勤務している時、お客さまからこちらが思いつきもしないような不思議な事を言われることが多々ありました。
クレジットカード業務に日々携わっている者からすると当たり前の事でもお客さまからしてみれば当たり前じゃないことなどは沢山あるので不思議なご質問でも丁寧にお聞きして、お客さまが一体何を言われたいのかを正確に聞き出すのもクレジットカードのオペレーターの技量というものです。
今日はそんなお客さまから受けた不思議なご質問の一つをご紹介します。
それはクレジットカードの審査に落ちたお客さまから「なぜ審査に落ちたのか?」とのご質問を受けた時によく起こりました。
お客さまは「なんで口座にこんなにお金もあるのにお宅は審査に落としたの?口座の残高見てないの?」とか、「審査に落ちたようだが納得できない。もう一度口座残高を確認してよ、◯千万入ってるんだしお金を持ってないわけじゃないから」とこんな感じで言われるお客さまがいらっしゃいました。
最初この質問を受けた時には「え?」と思いましたが、お客さまの中にはクレジットカード会社が口座の中身まで調べて審査をしてると思い込んでる方が少なくないんです。
しかし、基本的にクレジットカード会社は口座の中身まで調べることはできませんから、申込をしてきたお客さまの口座状況なんて全く分かりません。
例えば「三井住友VISAカード」を申込した時に「三井住友銀行」の口座残高を把握してるかといえば、名前こそ頭に「三井住友」とついてるだけで三井住友VISAカードを発行してる「三井住友カード」という会社と銀行口座のある「三井住友銀行」という会社は全くの別法人ですので審査の時も三井住友銀行の口座残高さえ分かりません。
ただ「基本的にクレジットカード会社は銀行口座の中身まで調べることはできません」と言ったのは例外があるからです。
それは銀行口座一体型のクレジットカードや特にシティーバンクを通じてダイナースクラブカードやシティーカードを申込した時はその銀行の口座に限って言えば口座残高を確認することができます。
また楽天銀行のキャッシュカード一体型のクレジットカードも「楽天銀行」ではなく「楽天カード」が発行してますので「楽天銀行の口座」に限って言えば審査に使うかどうかは別として楽天銀行の口座の残高を確認しようと思えば出来ると思います。
シティーバンクに至ってはシティーバンクの口座残高が5000万円以上の場合、ほぼ無条件でダイナースクラブカードやシティーカードを発行する仕組みが現にありますので、そういう場合は自社の口座限定のお話ですが、口座残高を見られた上でクレジットカードの審査を受けます。
このような事があるので「基本的にクレジットカード会社は銀行口座の中身まで調べることが出来ません」と申し上げました。
しかし世の中のほとんどのクレジットカードは審査の際に口座残高を確認出来ませんので、クレジットカードの審査に落ちた際に「口座残高が◯千万あるのに」などと言ってクレームを入れるのはやめましょう。