過去に金融事故を起こした方によくある誤解に
・VISAカードを破産したから今後VISAカードを作れない
・過去にVISAカードを延滞で更新拒否、利用停止、強制解約されたからVISAカードは作れない
・どこのVISAカードを申し込んでも審査に落ちるのでVISAがブラックなんだと思う
こんな話が現在私が司法書士の仕事をさせていただる中でお客さまからよく聞く言葉です。
「VISAカードがブラック?」最初に聞いた時には何の事を言ってるのか分かりませんでしたが、多かれ少なかれ世の中にはVISAで金融事故を起こすと今後どのVISAカードも作れないと思っている方達が大勢いるようです。
ここからこの誤解を解くためにクレジットカードの基本的な話をしていきます、現在世界をまたがって利用できるクレジットカードブランドは5つしかありません、その名称を挙げて行きます。
・VISA(ビザ)
・MasterCard(マスターカード)
・AMERICAN EXPRESS(アメリカンエキスプレス)
・JCB(ジェーシービー)
・Diners Club(ダイナースクラブ)
カードブランドとはそのカードを利用できるネットワークの事を指し、言い換えれば「インターネット」と同じような仕組みになります、VISAにはVISAの独立したネットワーク、アメックスならアメックスの独立したネットワークを持っています、それをカードブランドと呼びます。
インターネットもインターネットというネットワークがあるだけでは意味がなく、プロバイダーというものがないと利用できないのと同じようにカードブランドネットワークにはプロバイダーとも言える提携先があってクレジットカードが成立しています。
例えば、有名な三井住友VISAカードや楽天VISAカードなどの◯◯VISAカードの◯◯に当てはまる部分がインターネットでいう所のプロバイダーにあたり、三井住友がVISAのネットワークを利用しているクレジットカードの事を三井住友VISAカード、楽天カードがVISAのネットワークを利用しているクレジットカードの事を楽天VISAカードと呼んでるだけです。
ここからがクレジットカードの知識がない方には難しい所なのですが、クレジットカードにはプロパーカードと開放カードと呼ばれるものがあります。
プロパーカードとは国際ブランド(上記の5社)が自社で審査発行するクレジットカードの事、また開放カードとは国際ブランドが提携会社に自社ブランドを貸与して、クレジットカードの審査発行を行う事を指します。
そしてここが一番重要なポイントなのですが、現在日本では5つある国際ブランドの中でプロパーカード、いわゆるカードブランドの中で直接お客さまに審査発行している所はアメックス、JCB、ダイナースとこの3社のみとなります。
【自社でもクレジットカードを審査発行するカード】
・AMERICAN EXPRESS(アメリカンエキスプレス)
・JCB(ジェーシービー)
・Diners Club(ダイナースクラブ)
ではVISA(ビザ)とMasterCard(マスターカード)はどうなのかというと日本では開放カードはあるものの、VISAやMasterCardが直接審査して発行するプロパーカードは存在しません、あくまで自社ブランドを貸与して、提携先がクレジットカードの審査発行を行うクレジットカードのみ存在します。
ということはアメックス、JCB、ダイナースで過去に金融事故を起こして迷惑をかけた事があるので、個人信用情報から金融事故情報(いわゆるブラックリスト)が消えたとしても社内ブラック(社内システムでは永久に申込拒否にされている)となり「アメックスはブラックなんだ」「JCBはブラックなんだ」「ダイナースはブラックなんだ」という会話は成立しますが、「VISAはブラックなんだ」とか「MasterCardはブラックなんだ」という会話はおかしいということになります。
何故かというと日本ではVISAもMasterCardもブランドを提携先に貸して(開放して)るけれども審査発行をしていないので、どこかのVISAカードで金融事故を起こしてもその提携先のカードが今後作れないだけで、別のVISAカードが「VISAが拒否した」と言う理由で作れないと言うことがないのです。
VISAもMasterCardも日本においては個人情報をなんら蓄積もしておりませんので、その人が過去に破産していようが延滞していようがVISAもMasterCardも一切知りませんし、なんら関係ありません、関係あるのはVISAやMasterCardというカードブランドを貸してもらって実際にクレジットカードを審査発行している提携先になります。
三井住友VISAカードであれば「三井住友カード株式会社」が審査発行、楽天VISAカードであれば「楽天カード株式会社」が審査発行してるので「VISAの審査が(ブラックで)駄目」と言ってる方は単にこの提携先の三井住友なり、楽天なりのカード発行審査に落とされてるだけで、日本ではVISAの社内ブラックやMasterCardの社内ブラックなんて事はありません、クレジットカードをよく知ってる方には当たり前の話なのですが、知らない方はこの事を全く知りませんので、知っておきたいポイントです。