今や子供にスマートフォンやや携帯電話を買い与える親も少なくありません。
スマートフォンや携帯電話上では今やSNSオンラインゲームが浸透しており、例外なく子供達にも浸透しています。
ここで問題になるのが、子供がオンラインゲームに夢中になってしまって高額なアイテムを欲しがるようになり、勝手に親のクレジットカードを使ってしまうような場合です。
2011年にコンプガチャ問題で揺れた携帯SNSオンラインゲーム業界ですが、消費者生活センターの調べでは、今も尚、子供が親のクレジットカードを使ってしまい、高額な請求が後できてしまうと言ったトラブルが急増しているとの事です。
オンラインゲームの中には一度でもクレジットカードの認証を通してしまうと、以後はクレジットカード番号を入力しなくてもクレジットカードの決済が出来てしまうものがあるのでそう言った場合には親が気づいた時には非常に高額な決済を子供にされてしまってる事が多いいようです。
法律のお話になりますが、子供が勝手に使ったクレジットカードの決済というのは「未成年者契約の取消し」という法律が民法であるので建前上は取り消す事が出来ます。
一応豆知識としてここで「未成年者の契約取消し」とは何かを考えましょう。
・契約時の年齢が20歳未満であること
・契約当事者が婚姻の経験がないこと
・法定代理人が同意していないこと
・法定代理人から、処分を許された財産(小遣い)の範囲内でないこと
・法定代理人から許された営業に関する取引でないこと
・未成年者が詐術を用いていないこと
・法定代理人の追認がないこと
・取消権が時効になっていないこと
(時効は未成年者が成年になってから5年、または契約から20年間)
・未成年者自身または法定代理人のどちらからでも取消しできる
そしてこの「未成年者の契約取消し」を行使すると
・代金支払の義務はなくなる
・未成年者が支払った代金があれば、返還請求できる
・未成年者が受取った商品やサービスは、「現に利益を受ける範囲で」返還すればよく、現に利益が残っていなければ返還する必要はない
このように建前上は子供が勝手に使ったクレジットカードというのは「未成年者の契約取り消し」を行使すれば支払いを拒否したり、返還請求ができる事になっていますが、ここからが問題なのです。
クレジットカードに入会する時にクレジットカードの規約に「クレジットカードの管理は厳重に行なって下さい」「利用者の重大な過失で発生した損害は免責される」というのは各社文言が異なるものの、書いてあり、それに同意してクレジットカードは発行されてる事になってます。
要するにクレジットカードの契約する時に、規約で「カードの管理は厳重にする」と約束したのに、子供に勝手に使われるとは、所有してる本人のクレジットカードの管理が悪いからこうなったので「未成年者の契約取消し」にには応じませんということです。
言い方を変えれば、クレジットカード会社は親が子供が勝手にクレジットカードを使える環境に親が晒していたから(重大な過失)子供が勝手にクレジットカードを使ったわけで、支払いは拒否できませんということ。
結局子供がクレジットカードを勝手に使えばどうなるかは、自分に重大な過失が無いことを証明しないといけないわけですが、ここから先は消費者生活センターやお近くの法律事務所で相談してもらうしかありません。
ただ単に子供が親のクレジットカードを勝手に使ったから「未成年者の契約取消し」が行使できるというものでもないんです、親に過失が無いことを証明しないといけないわけです。
こうなってしまったら素人では対応ができませんので、きちんと消費者生活センター等に電話をして相談をして下さい。
このような事態に陥るまえに、きちんと子供にしっかりクレジットカードというものはどういうものなのか小学生高学年にでもなれば以下の事を説明しておかないといけません。
1 クレジットカードを親の財布から勝手に取り出すことはお金を勝手に取り出すと同じだということ
2 クレジットカードの情報を入力して送信するということは、お金を払うと同じことであるということ
以上の2点をしっかり教育してあげないといけません。
ちなみに、私がクレジットカードのコールセンターに勤務していた時にもこの手の苦情や相談が寄せられました。
「子供がやった事だから支払わない」と支払いを拒否される方もいましたが、当然クレジットカードは利用停止となります。
さらに個人信用情報に「異動」(要するにネガティブ情報=ブラックリスト)と付けられてしまい、他のクレジットカードも途上与信でその履歴を見られ、利用停止になりますし、以後、どのローンも一切通らなくなります。
始まりは子供が勝手にクレジットカードを使ったからですが、支払いを拒むと個人信用情報的にはブラックリスト入りしてしまう可能性も高いを忘れてはいけません。
それを防ぐにはまず第一に子供が高学年になれば、クレジットカードとは何であるかとの教育、子供の携帯端末の管理と自身のクレジットカードの管理、これをしっかりしておかないと、子供がやった事で済まされないケースも増えてますので注意しましょう。