私がクレジットカードのコールセンターに勤務している時に受信したよくある問い合わせに「身に覚えのない請求」があるというものでした。
クレジットカードというものは過去の決済に対しての請求の上に、利用した店舗やシステムによってはクレジットカード会社に請求してくるタイミングがリアルタイムでない場合がありますので、お客さまによっては混乱されます、代表的な遅れ請求の例がガソリンスタンドやETCなどの請求ではないでしょうか。
ガソリンやETCなどは請求の遅れがあっても「ガソリン」や「高速道路利用料金」とクレジットカードの請求書の明細書に書いてありますので、問題ないのですが、お客さまが利用された身に覚えのない名前で請求が上がっていると、それだけで身に覚えがないとして、金額や日にちをよく見ずにクレジットカードのコールセンターに怒鳴って電話をかけてこられます。
一般の方からすると怒鳴って電話なんか本当にあるのかと思われると思いますが、コールセンターというのはどこも戦場で本当にヤバイ所です。
お客さまは「自分に否はない」という大前提の元、夜中に自分の時間が出来た時にクレジットカードの明細書を確認していたら「身に覚えのない請求」に気づいたものですから、コールセンターの電話が繋がるようになった翌営業日の朝から怒鳴り込んで来られるわけですね。
まず基本的なお話をしますが、私の長年のクレジットカードのコールセンターでの経験からして、「身に覚えのない請求」の99%はお客さまの誤解や勘違いです。
誤解というよりも、お客さまの使った店舗と請求名が違うケースで誤解が生じる、これが一番多いですね。
例としては、地方に出張に行った、そこでスナックなりキャバクラなりの飲食店でクレジットカードを使いました、そうするとそこでの利用名は「スナック◯◯」や「キャバクラ◯◯」と言った名称で明細に載りません、多くの場合は全く違う名前で明細に上がってきます。
これはクレジットカードの決済の仕組みを考えないといけないのですが、クレジットカードを店舗で決済するにはそのお店がそのクレジットカードの加盟店でないといけません、誤解されてる方が多いのですが、お店を開いてクレジットカードの決済を利用したくても誰でもどんな店でも利用できるわけではないんです、審査もありますし費用、維持費もかかります。
小規模な飲食店単体ではクレジットカード決済の審査にも通らない、その維持費用も捻出できない場合が多いので、スナックやキャバクラといったような飲食店では親会社があってグループ経営をしてる所が多いんですね、ということは、決済をするのはその親会社であるので明細書にはその親会社の名前で上がってきます。
飲食の場合、利用した店舗名と全く関係のない横文字や◯◯実業、◯◯興業といった何やら一見して怖そうな親会社の名前で請求がきますので、ビックリしてクレジットカードのコールセンターに怒鳴りこんでこられます。
調査して◯月◯日に◯◯と言う所で飲食されませんでしたか?とお尋ねすると「そういえば先々月利用したけどそんな名前の店じゃない!」とまた怒られます。
こういう時はお客さまに利用した店舗名=クレジットカードの請求名ではないこともある事をお伝えしてなんとか解決するのですが、こういう事を防ぐ為には日頃から小規模な店舗でクレジットカード決済をする場合には必ず何という名前で請求をしてくるのか確認する習慣をつけておいた方がいいですね。
これを怠ると地方の飲み屋で決済する度に身に覚えのない請求がきて、その度にクレジットカードのコールセンターに怒鳴りこんでいては、その怒鳴り込んだ履歴が社内履歴としてしっかり社内システムに記録されてますので、それが理由で利用停止になることは稀であっても、クレジットカードの更新審査の時に過去の怒鳴り込み歴を見られ、「扱いが難しいお客さま」として更新を拒否されるケースも多々ありますので気をつけましょう。
また、身に覚えのない請の原因は請求名が違うという事が一番多いのですが、並んで多いのが家族や恋人が勝手に使ってるケース、これも非常に多いんですね。
これはクレジットカード会社が本格的に調査をすればほとんど家族や恋人が勝手に使ってるケースと判明するのですが、問題はこういう事が頻繁に起きるとクレジットカードの管理責任を問われて利用停止から強制解約になるケースも珍しい事ではない事です。
ちなみにクレジジットカードの管理責任とは必ずどのクレジットカード会社も利用規約をお客さまに配布したり同意させてますので「見てない」という文言は通用しません。
最後にですが、99%はお客さまの誤解や勘違いで身に覚えのない請求ですが、本当に犯罪に使われてるケースもあります、その場合はどのクレジットカード会社も60日間遡って保険が効きますので、本当に犯罪利用とクレジットカード会社の調査で判明すれば、保証されますので心配することはありません。
ですから、クレジットカードの明細というの捨てずに保管しておくこと、また毎月よく確認することも大事です。
そして最も大事なのは、身に覚えのない請求が来たからと言って、よく考えたり家族が使ったのか調べもしないでクレジットカードのコールセンターに怒鳴りこまない事です、電話口で怒鳴らなくても調査はしますし、もし犯罪に使われたのなら調査の上で保険が効きます。
コールセンターに怒鳴りに怒鳴って、ゴネにゴネて調査の結果、家族の利用だったりした場合には高い確率で利用停止になりますが、普通にしてたらそんな事にはなりません、気をつけましょう。