私は今までクレジットカードのコールセンターにて管理者として何社も回ってきた経験からクレジットカードのステータスと電話の応答品質の関係を考えてみようと思います。
かつて私が仕事をさせて頂いたクレジットカード会社は多岐に渡り、その中には審査の甘いクレジットカード会社や逆に審査の厳しいクレジットカード会社がありました。
また、ステータスのあるクレジットカード会社や逆にステータスのないクレジットカード会社のコールセンターでも働かせて頂きました。
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要はクレジットカードの社員さまではないものの、クレジットカードのコールセンターの管理者として様々なクレジットカードをコールセンターという内部から色々と観察できる立場にありました。
そこで気づいたのは、当たり前の話なんですが、クレジットカード会社によってお客さまの層が違うので、かかってくる電話の内容が全然違うことです。
審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードのコールセンターとなると、それはもう初めて電話を聞いた人(新人の人など)はビックリします。
何にビックリするのかというと、クレームの多さやトンチンカンなお問い合わせをしてくるお客さまが非常に多くてビックリするんですね。
例えば
・昨日引き落としが出来なかったくらいでカードを止めやがって、出先で使えなくて恥をかいたじゃないかどうしてくれるんだ!
・一昨日クレジットカードの申込をしたがまだ返事がない、今日買いたいものがあるのにどうしてくれるんだ!
・引き落としが出来なくなってカードを止められてるけど、今日を乗り切ればお金が入る、だから利用停止を今日解除してくれ、解除しないなら法的に訴える!
・今日コンビニで弁当を買いたいんだけど、利用限度枠一杯使ってしまってる、1000円でいいので臨時増枠して欲しい、増枠できなくて弁当が買えず俺が倒れたら責任を取ってもらうからな!
などなど、まだまだ沢山あるのですが、つまりこのようなレベルの電話が審査が甘く、ステータスの低いクレジットカード会社のコールセンターにはかかってきます、しかもお客さまは電話が繋がった時点でキレて怒っていらっしゃる方が多いのも特徴。
お客さまが怒る原因もいろいろあるのですが、一番多い原因は「電話が繋がらない」ことにまず怒られるんですね。
このことから、審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードのコールセンターで働いていると、ます電話が繋がらない事に延々と怒られます、そして電話が繋がらない事の怒りがそのまま上記のような質問に続くので、オペレーターもたまったものではありません。
本当にこんな電話がかかってくるのか疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、これは軽めの問い合わせで実際はもっとヤバイ言葉で罵られます。
どんな言葉で罵られるかは、「ブログでも書けないような暴力的で過激な内容」とだけ言っておきますのでお察しください・・・・・・・。
このような事があるので審査が甘く、ステータスも低いクレジットカードのコールセンターというのはまさに修羅場で戦場と化してます。
私もクレジットカードのコールセンターの管理者として、戦場と化したセンターをどう手をつければ状況が改善するのかといつも考えていましたが、基本的に審査が甘く、ステータスの低いクレジットカード会社というのはお客さまに対するオペレーターの絶対数が全然足りてません。
「オペレーターの絶対数が全然足りません、だからクレームが増えるんです」とクレジットカードの社員さまに進言をしても、「上はそういうの聞かないから無理だよ、ごめんね」と言われるだけ。
私の経験からして、審査が甘く、ステータスの低いクレジットカード会社というのは「お客さまとの応答品質にお金をかけても仕方ない」と思ってる節が多々あります。
またオペレーターを増員する資金があるのなら会員向けのポイントキャンペーン等をやって会員を増加させた方がいいと言ったような営利主義に走る傾向にあります。
基本的にお客さまからの問い合わせは半分どうでもいいという企業風土ですね、それは中にいても分かります。
慢性的にオペレーターの数が足りない、だから電話口で怒鳴られる、怒鳴られるからオペレータが定着しない、定着しないから新しい新人を入れないといけない、新人を入れてもクレームが多いのですぐ辞める、応答品質の研修や教育をしたいけど人がいないので基本的な新人研修の時にしかできない。
この負のスパイラルから抜け出せないので「審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードのコールセンター」というのはいつまで経っても状況が改善しないわけです。
ですから、審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードのコールセンターに電話をかけた時に酷い応対をするオペレーターに繋がったりすることがあります、それは直前まで他のお客さまにさんざん怒鳴られていた場合や、日々怒鳴られる事で心が荒んでしまったオペレーターが多いからに他なりません。
最初は誰でも電話の応答を丁寧にしようとするのですが、電話が繋がらないと延々と説教された後に上記の例で挙げたような「今日コンビニで弁当を買いたいんだけど、利用限度枠一杯使ってしまってる、1000円でいいので臨時増枠して欲しい、増枠できなくて弁当が買えず俺が倒れたら責任を取ってもらうからな!」等など、こんな事を毎日言われてると心が折れるんですね、人間って。
ですから審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードのコールセンターというのは基本的に電話の応答がなってません、教育する時間もないし、人もいません、もし電話応答のよい人に繋がったらそのオペレーターは相当修羅場をくぐってきた強者か新人さんかどちらかです。
これが審査が甘く、ステータスの低いクレジットカードの現状です。
では逆に審査が厳しく、ステータスの高いクレジットカード会社というのはどうなんでしょうか?
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世の中にはゴールドカードやプラチナカードというものがありますよね、そしてその多くはゴールドカード専門ダイヤルであるとかプラチナ会員専門ダイヤルを設けてます。
基本的にそう言ったステータスの高いクレジットカードのコールセンターにはわけのわからないクレームは入ってきません。
そりゃそうです、ゴールドやプラチナカードを取られてる方というのは、それなりの属性や年収の審査を受けて会員となっているので「1000円増枠して欲しい」というような電話自体が入りません。
特にプラチナカードと呼ばれるクレジットカードのコールセンターでは一切そういう電話がありません。
ただ、ステータスのクレジットカードのコールセンターというのは、逆の意味でお客さまが言ってる事の意味を理解するのに最初は困惑します。
いわゆるお金持ちの方なら知っている高級ホテルならではのサービスや特典の名称や空港のラウンジのサービス内容や細かいことを言えばファーストクラスとビジネスクラスの違い、高級ブランドの名称や種類、こういう基本的な事を頭に入れておかないと会話が成立しないことも多々あります。
これが分からからと怒り出しはしないまでも、「このクレジットカードの対応は駄目だな」と思われると他社に切り返されてしまう層のお客さまですので気をつけないといけません。
ホテルにも一流ホテルから三流ホテルがありますが、ステータスのあるクレジットカードのお客さまというのは、そういう一流のサービスに普段から慣れていらっしゃるので、下手な対応ができないんですね、ホテルでの対応のように相手の容姿が見えない分、お客さまには丁寧かつ正確な応対をしないといけません。
ですから、ステータスのあるクレジットカードというのは、お客さまとの応答品質を重要視してますから、人員もさることながら、教育をしっかりしています、まさに応対が命ともいえます。
お客さまに変な事を言うオペレーターは必ず管理者に見つかり、即刻受信を外され、再教育をされるか、もう来なくていいよと解雇されるかどちらかです。
会員を増やす為にポイントで釣るからコールセンターに経費はかけられないというステータスの低いクレジットカードとは真逆の考えなんですね。
私はなぜか、ステータスの低いクレジットカードからステータスの高いクレジットカードへ、そしてまたステータスの低いクレジットカードへと山と谷を上下するように所属先を変えてきたのですが、その中で得たこととは、一言「クレジットカード」とは言ってもその中身はクレジットカード会社によって全然企業文化、特にお客さまに対する考えが全くの違うものと言うことでした。
ステータスの低いクレジットカードの裏にはそれなりの事情があって電話応対品質が悪く、ステータスの高いクレジットカードというのもそれなりの理由があって電話の応答品質が良い事を内側から体験できました。
最後に、ステータスの低いクレジットカードのコールセンターに電話をかけて応対がよくないからと言って怒るのはやめましょう、あなたの電話の前にこっぴどくお客さまから怒鳴られた後かも知れません、お客さまという立場ですがステータスの低いクレジットカードにそういう品質を求めること自体が、そもそも無理な事だからです。
逆に言えば電話応対でそのクレジットカード会社のコールセンターへの力の入れ具合、要するにお客さまをどれだけ大事にしているかが分かりますので、今回記事にかいたような事を意識しながら今度電話をする時には聞いてみてください、色々分かりますよ。