私がクレジットカードのコールセンターに長年勤務してきた経験の中で一番進化を遂げたなと思うことはシステムによるクレジットカードのスピード自動審査です。
現在ではWEBからの申込で、ものの10秒程度で審査結果が出てしまうクレジットカードがあります、有名所では楽天カードですが、最近ではアメックスも10秒で審査結果が出るような審査システムを導入してます。
その昔、15~20年前はクレジットカードの申込から発行までは約1ヶ月半~2ヶ月、長い所では3ヶ月かかったものでした。
しかし、現在はたったの10秒もかからないでクレジットカードの審査結果が出てしまう所もあり、本当に審査をしてるのかと10秒審査の仕組みを知らない人は思ってしまうと思いますが、きちんと審査はしてます。
では、その10秒審査の仕組みとはどんな仕組みなのか考えてみましょう。
10秒審査などの超高速な審査を行なっているクレジットカード会社はWEB申込から発行までを基本的にシステムによる自動審査を行なってますので、10秒審査が成り立つ過程には人間の手や目には触れないのは当然です。
クレジットカードの自動審査とはWEB申込の情報を社内システムで設定している「スコアリング」と呼ばれる、このお客さまはクレジットカードを取得できる人なのかをまず判定します
【参考】属性とスコアリング
要するに以下のようなスコアリングの内容を前もってシステムに設定してるわけですね、年齢が20歳以上でないと駄目だとか勤務年数が◯年以上でないと駄目とか年収が◯◯◯万千以上でないと駄目とか、設定の数値はクレジットカード会社によって異なりますが、あらかじめ設定されてるわけです。
・「年齢」
・「勤続年数」
・「職業/勤務先」
・「雇用形態」
・「年収」
・「居住年数」
・「居住形態」
・「家族構成」
・「電話」
これらのあらかじめ設定されてた条件を満たしてれば、今度は個人信用情報にあなたの信用情報を見にいきます。
個人信用情報機関には
・CIC
・JICC
・KSC（全銀協）
の3つあるわけですが
多くのクレジットカード会社はCICとJICCの情報だけ参照しにいき、下記のような情報を読み込み、何か問題（他社での延滞や金融事故）があれば審査に落ちます。
※ちなみに下記のCICの個人信用情報では「異動」がついてますので、クレジットカードの審査は100％通りません、ブラックリスト入りしたいい例です。
【CICの個人信用情報画面】
【参照】クレジットヒストリー（クレヒス）とは何かを基礎から考える
このように、あなたの申込情報を元に設定されている条件を満たす人なのかをまずスコアリングで審査され、スコアリングを満たせば個人信用情報を参照され、問題なければクレジットカードを発行する仕組みです。
この一連の作業をクレジットカードのシステムは10秒もかからないで審査の合否をしてしまうほど高速なわけです。
そんなバカなと思われてしまうかも知れませんが、今のコンピューターの処理能力は人間の能力を遥かに超えて、これくらいの情報であれば10秒もかからないので、10秒審査が可能なわけです。
現在どのクレジットカード会社もこの機械審査を導入してない所は存在しません、基本的にどのクレジットカード会社もWEB申込から10秒も経たないで自動審査を本当は終えています。
しかし、どのクレジットカード会社も10秒で審査結果を出さないのは、そのクレジットカード会社によって文化が違い、システムによる自動審査を終えても在籍確認が必須だったり、自動審査を通った方だけを再度審査部の人間の目で色々と審査をする文化があったりとクレジットカード会社で審査の方法が異なるからなんですね。
ちなみに10秒審査を謳うクレジットカード会社でも10秒で終わらない時があります、それは、システムというのは予め設定されていた項目に対して◯か☓判定できても微妙な△に対しての判定が出来ません、そういう時には自動審査から外れて審査部の人間の目に頼るので普段10秒審査で結果を出してくるクレジットカード会社でも、2~3日審査に時間がかかる場合があるわけですね。
最初から最後までどんな申込でも100％システムが自動で審査判定をしてるようなクレジットカードは存在しません、お客さまも色々ならば申込内容も色々なので、どうしても人間の目で審査しないといけない場面は出てくるからです。
また最後に、10秒審査だからといって審査が甘いわけではありません、システムにより高速であなたの情報と個人信用情報を判定してるだけので10秒審査、スピード審査だから甘いの考えはやめましょう。