私がクレジットカードのコールセンターにて長年勤務してきた事は過去の記事で何度かお話しをしてきました。
クレジットカードのコールセンターというのは、特にお客さまからイレギュラーなお問い合わせを受ける事が多い所です。
実際にクレジットカードのコールセンターで勤務した事がない方には「そんなことが本当に起こるのか?」と思うような出来事もしばしば。
今回はそんな「そんな事が本当起こるのか?」と言うようなクレジットカードのコールセンターでの体験をご紹介します。
ある日、お客さまから「口座に十分な残高があったのに、おたくのクレジットカードの引き落としが出来ておらず督促状がきた。きちんと引き落としは出来てるものと思っていたのに一体どうなっているんだ!」とご立腹でお電話がありました。
クレジットカードのコールセンターのオペレーターというのは普段から滞納されているお客さまに嫌というほど督促発信をしており、そのやりとりの中で「さっき払った」など、お客さまに平気に嘘を言われる事が少なくありません。
ですから、お客さまから「口座にお金があるのに引き落としが出来てない」と言われても、「どうせまた嘘なんでしょ・・・」と捉えてしまいがちです。
しかし、本当に稀ではありますが口座に十分な残高があるのにクレジットカードの引き落としが出来てない事もあります。
しかし、なぜそのような事が起きるのでしょう?
私の経験からすると、原因は大きく分けて2つありました。
①銀行側のシステム問題
②クレジットカード会社側のシステム問題
①はクレジットカード会社が引き落としをかけていたのに、何故か銀行側のシステム問題が起こり、正常な引き落としが出来ていなかったケース
②はそもそもクレジットカード会社の内部システム問題の影響で銀行に引き落としをかけていなかったケース
①にしても②にしても、なぜこのような事が起きるのか、クレジットカードのコールセンターに勤務はしていたものの、クレジットカードのシステム部門で働いていたわけではないので、100%は理解出来ませんでしたが、兎に角、料金の引き落としというのは正確に100%出来るものではないということは体験からよく分かりました。
人間もそうですが、システムでさえ、物事を100%正確にいつも実行できるわけではないんです。
最近話題になったシステムの誤動作といえば、ソフトバンクが誤って料金を支払済みのお客さまの個人信用情報に延滞の事実である「A」をつけた事が挙げられるように実際に世の中で起こっているんです。
そして、この引き落としが出来てなかった問題、本質はここからです。
お客さまが利用料金の引き落としができていなかった事をすぐに連絡してくれればすぐに対処ができるのですが、そうじゃない場合、滞納フラグがシステムで立ったと同時に個人信用情報機関であるCICに「延滞」の事実である「A」を速攻付けに行くクレジットカード会社が存在します、何処とはここで言いませんが会員数が非常に多いあの会社です・・・。
そうすると、口座に十分な残高を用意していたのに、引き落としされず延滞扱いをされてしまい、個人信用情報機関であるCICに延滞マークを付けられて、その状態を他社が「途上与信」で見てしまった場合、他社から見るとただの延滞にしか見えませんから、最悪の場合、他社のカードも一斉に利用停止になる可能性があります。
ですから、クレジットカードの引き落とし日というのは、しっかり利用料金が口座から引き落としが出来ているかを確認しないといけないのです、システムを100%信じてはいけません。
私は現在家業である司法書士の事務所を継いで仕事をさせて頂き、クレジットカード業界から遠ざかりましたが、クレジットカードのコールセンターでのこのような出来事を経験してきたので、クレジットカードの引落し日にはしっかり引落しが出来ているか確認する事を怠りません。
自分のクレジットライフを守るのは最終的にあなたしかおりません、ですから最低でも引き落としは正常に行われたのかの確認は毎月行いましょう。
また、最後にクレジットカードの引き落としというのは、ギリギリ当日に口座に用意するのではなく、前日までに口座に用意しておくことが大事です、当日の場合は銀行側の都合で引落しが正常に出来ない場合が多発していました。