私がクレジットカードのコールセンターで働いていた時にお客さまから寄せられたご質問の中でも多かったのが「クレジットカードの支払いは何日まで遅れても大丈夫か?」というご質問でした。
毎月きちんと支払いをしている方には本当にそんな電話する人いるの?と疑問に思うかも知れませんが、クレジットカードのコールセンターに入ってくる電話の中では「クレジットカードの審査状況や結果について」のお問い合わせに次いでお電話の多い内容です。
では、「クレジットカードの支払いは何日まで遅れても大丈夫か?」と言う疑問についてWEB掲示板やヤフー知恵袋等のQ&Aサイトを見てみると、
・◯◯カードは何日遅れまで大丈夫
・◯◯カードは再引き落としがあるからその日に払えば大丈夫
・◯◯カードは翌月まで支払えば大丈夫
・◯◯カードは電話をして振り込めば大丈夫
などと書かれていますが、職業柄、様々なクレジットカードのコールセンターで勤務してきた私から言わせて頂ければ、どの回答も殆ど間違いです。
しかし、こう言った間違った回答がヤフー知恵袋等でベストアンサーとして選ばれていたりするので、困ったものです。
そもそも「クレジットカードの支払いは何日まで遅れても大丈夫か?」と疑問に思う方と言うのは、その殆どの方がクレジットカードの支払いを延滞したら何が起こるのか?の仕組みを分かっていません。
それではここから「クレジットカードの支払いを延滞したら何が起こるのか?」をご説明します。
まず、クレジットカードを決められた期日に支払いをしないと,銀行から口座引き落としが出来なかったという情報がクレジットカード会社に送られてきます。
その情報を元にクレジットカード会社のシステムが入金していないお客さまを即座に抽出し、督促対象のリストを作成します。
この督促対象のリストをシステムが作成してからの対応がクレジットカード会社によって異なるのですが、再引き落としがあるクレジットカード会社は再引き落とし日までその督促リストを放置してますし、
再引き落としがないクレジットカード会社は、督促リストを元に督促のハガキを送付したり、コールセンターから督促発信をしたりします。
以上、ここまでは大体のお客さまは想定してらっしゃる事なのですが、実は決められた日に入金が行われないとクレジットカード会社は個人信用情報機関にその事実を登録される、いわゆるブラックリストなるものに「延滞している事実」を記載されると言うことを分かっていません。
では個人信用情報機関とは?また、延滞している事実を記載とは何かを説明します。
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以下の画面は個人信用情報機関である「CIC」に載ってる私の個人信用情報で、クレジットカードを作成した人は必ずこの画面のような情報が作成されています。※法律で義務付けられています※
上記の情報は先々月私が取得したあるクレジットカードの情報ですが、持っているクレジットカードの枚数分、この画面があると思って下さい。
それでは一番下の「入金状況」の欄を見て下さい、ここには過去24ヶ月分のクレジットカードの入金状況が記載され、正常に入金されれば「$」のマーク、延滞した場合は「A」のマークが記入される仕組みです。
※最近のクレジットカード会社の傾向としては、きちんと入金をしてても「$」マークを付けない所がほとんどでアメックスやダイナース等の外資系カードは一切$マークを付けません。例外的に楽天カードやセゾンカードが毎月支払いをすれば「$」マークをつける事で有名です※
クレジットカードの信用情報で大事なのはきちんと入金している$のマークよりも、延滞した場合に付けられる「A」を付けられるかどうかが大事なんです。
先ほど決められた日に入金しても「$」マークをつけるのはクレジットカード会社によってバラバラと申しましたが、延滞した場合は違います。
クレジットカードの支払いを延滞した場合は必ず「A」マークが各社とも付く仕組みになっています。
この延滞の事実であるAマークを付けられると何故駄目なのかというと、クレジットカードの発行審査で必ずこの画面を見るからです。
クレジットカードの審査の際にこの画面を見た時に入金状況に「A」があった場合、当然「この人はお金に困っている」と判断されて限りなく審査に落ちやすくなります。
また、クレジットカード会社というのはクレジットカードを発行したらそのまま放置するのではなく、お客さまが他社のクレジットカードを含めて健全な利用をしているか確認する意味であなたの個人信用情報、まさにこの画面を定期的に見に来てチェックしており、これを「途上与信」と呼びます。
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当然、途上与信というパトロール中に別のクレジットカード会社の入金状況をみて「A」を発見した場合、最悪の場合、自社のクレジットカードでも支払いを延滞されたら困るので、突然利用停止になったりもするのです。
ですから、クレジットカードを作成したら必ず作られる自分の個人信用情報機関の情報に
では延滞の事実である「A」というマーク、支払い期日をどのくらい過ぎたら付けられるのかと言いますと、「1日でも支払いが遅れればクレジットカード会社は個人信用情報の入金状況にAをつける権利を持っている」が正しい答えです。
そしてそのAをつける権利を行使するのがクレジットカード会社によって対応がバラバラなんです。
例えばAというクレジットカード会社は決められた日に支払いが行われなかったのを確認したら即「A」を付けますし、Bというクレジットカード会社は再引き落としで落ちなかったのを確認するまでは「À」付けなかったり、Çというクレジットカード会社は支払いが出来てないのをお客さま自身で把握してお客さまセンターに電話してこられて電話してくれば「À」を付けないと言った風に対応が分かれます。
よく知恵袋等の回答で「◯◯のクレジットカードはこちらから◯日以内に電話すれば個人信用情報に「À」を付けない」と書いてあり、それがベストアンサーになってたりしますが、今後も◯日以内に電話して入金すれば個人信用情報に「À」を付けないなんて保証はどこにもありません。
クレジットカード会社というのは結構頻繁に社内のシステムを改善の為に更新してますので、いつ延滞に対する行動に変化させるのか一般の方、お客さま側には分かりません。
ですから「クレジットカードの支払いは何日まで遅れても大丈夫か?」の正しい答えは
「どんなクレジットカード会社でも1日でも遅れれば、あなたの個人信用情報に延滞の事実である「A」を登録する可能性があり、それにより他社のクレジットが利用出来なくなる事があります、また期日を過ぎて支払った場合、個人信用情報に延滞の事実が登録されたかの判断は必ずお使いのクレジットカードのコールセンターにその都度確認をして下さい」が正しい答えとなります。